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句点の基本ルールは5つあります
句点のルールで大切なのは5つです。
これさえ覚えておけば、ビジネス文書を作成するときに 「ここは句点を打った方がいいかな?」 と迷うことはもうなくなります。(参考図書)記者ハンドブック 第14版 新聞用字用語集
句点ルール1 「。」は文の終わりで打つのが基本
文の終わりに句点を打ちます。
もっとも基本的なルールです。あなたもよくご存知ですよね?
【◯良い例】今日の天気は快晴だ。 |
句点ルール2 見出し・タイトル・箇条書きなどの短い文章には「。」を打たなくてOK!
見出しやタイトル、短い箇条書きなどの場合は、多くの場合句点を省略できます。
■メールの件名 【✖️悪い例】(件名)明日のミーティングの件。 【◯良い例】(件名)明日のミーティングの件 |
■短い箇条書き 1. 競合A社のセールス分析 2. 顧客満足度調査について 3. サービスの品質向上について |
句点ルール3 かっこの中の終わりには「。」を打たなくてOK!
「」(かぎかっこ)や()(まるかっこ)の中の終わりには「。」を打ちません。
【原文】 「昨日は久しぶりに実家に帰ったよ。」 とAさんは言った。 【◯良い例】「昨日は久しぶりに実家に帰ったよ」 とAさんは言った。 |
学校の教科書では会話文の「」や()の中に句点を打ってありますが、ビジネス文書では、句点を「」や()の中の終わりに打たないので注意しましょう。
句点ルール4 「」の前に主語・主部がある場合は「」の外で「。」を打つ
少しややこしいのが「」の前に主語・主部があるケースです。
このような場合は 「」 の外で句点を打ちます。
【✖️悪い例】 Aさんは一言「わたしは聞いてません」 【◯良い例】 Aさんは一言「わたしは聞いてません」。 |
句点ルール5 文末の()(まるかっこ)の場合は()の内容で変わる
()の中の内容が前の文章の注釈である場合は、かっこの外に句点を打ちます。
【◯良い例】 5%の高い利回り水準(業界平均1.5%)。 【◯良い例】 相手を理解して文章を書く(あるいは書き直す)。 |
()の中が、著者やクレジットである場合は、()の前に句点を打ちます。
【◯良い例】金融業界でよく起っているシステムのトラブルの原因は、欧米と比べてITに強い人材が少ないからだ。(日本太郎 〇〇編集部ライター) |
読点の基本ルール7つ
読点をキチンと打つことで文章が読みやすくなり、読み手に間違った解釈をされなくなります。そのためビジネス文書において、読点の使い方は非常に重要です。
読点ルール1 修飾語がどこにかかるのかを明確にするために「、」を打つ
トラブルになりやすいのが、読点をなんとなく打ってしまったために、相手に間違った解釈をされてしまうケースです。
修飾語がかかる対象によって文意が大きく変わる場合もあるので、伝えたい内容が明確に伝わるように「、」を使いましょう。
【✖️悪い例】 山田専務はマナーが悪く、挨拶をしない人を好まない。 【◯良い例】 山田専務は、マナーが悪く挨拶をしない人を好まない。 |
悪い例だと「林部長はマナーが悪い人」という意味になってしまいます。
無意識に読点を打つクセがある人は、要注意です。
読点ルール2 主語や述語が長いときは、わかりやすい位置に「、」を打つ
主語が長いときは「文の意味がわかりやすいか?」を意識して、読点を打つようにしましょう。
【✖️悪い例】 新卒1年目なのに仕事が、とても早いAさんはまるでベテランのようだ。 【◯良い例】 新卒1年目なのに仕事がとても早いAさんは、まるでベテランのようだ。 |
悪い例の場合は、読み手(特にサッと読みたい人)に対して、主語が「仕事」か「ベテラン」のどちらなのか、一瞬勘違いさせてしまいます。
読点ルール3 名詞が連続しているときに「、」を打つ
名詞が連続する時には読点を打って区切ります。ただし最後の名詞には読点を打ちません。
【✖️悪い例】名古屋、大阪、福岡、へ出張に行く。 【◯良い例】名古屋、大阪、福岡へ出張に行く。 |
読点ルール4 主語が短い場合は「、」を打たなくてもよい
短い主語の場合は、読点を省略した方が読みやすくなります。
【原文】彼は、休暇中だ。 【◯良い例】彼は休暇中だ。 |
学校の教科書では「主語の後に読点を打つ」と習いますが、ビジネス文書では間違った解釈をされるいおそれがない場合は、読点はしばしば省略されます。
読点ルール5 接続詞の逆接のあとに「、」を打つ
接続詞の逆接のあとには、読点を打つようにします。
【✖️悪い例】私は去年も宝くじを、買ったが一度も当たったことがない。 【◯良い例】私は去年も宝くじを買ったが、一度も当たったことがない。 |
前と後ろの文をつなぐのが接続詞であり、だから・また・が・しかし・そしてなどの種類があります。
「逆接」とは、前の文章と逆の意味の文章をつなぐ接続詞のことです。
読み手にストレスを与えないために、前後の意味の違いがハッキリするところで読点を打ちます。
読点ルール6 読みづらくなるので必要以上に「、」を打たない
読点を打たなくても間違った解釈をされない場合は、読点を打ちすぎないようにしましょう。
文章が拙く読みづらい印象を与えます。
【✖️悪い例】仕事の熱意、それは、まさしく、仕事のスピード、だと思う。 【◯良い例】仕事の熱意、それはまさしく仕事のスピードだと思う。 |
読点ルール7 「」(かぎかっこ)の前後に「、」は打たなくてよい
すべてが間違いというわけではなく、書き手の好みによるのですが、一般的には打たない方が良いとされています。
【✖️悪い例】彼が言いたいのは、「睡眠時間はとても大事」、ということだ。 【◯良い例】彼が言いたいのは 「睡眠時間はとても大事」 ということだ。 |
句読点のセンスを ‘‘サクッと’’ 上げるおすすめの方法
使い方にはルールがある句読点、一般的にルールに則って書かれている文章は読みやすく誤解されることが少ないため、ビジネスでも評価されやすくなります。
でも「必要以上に打ってはいけない」と言われても、それが感覚的にわからない!という人も多いと思います。わたしも未だに迷います。
ここで簡単に句読点のセンスを上げる方法をがあるので、紹介したいと思います。
それは新聞社系のネット記事を「句読点を意識しながら読むこと」です。
やはりお手本を注意深く見て慣れるのが一番です。
個人のブログと違って、新聞社系のネット記事は後述の『記者ハンドブック』など、各社のマニュアルに沿って句読点を打っています。普段、ネット記事を読むついでに、新聞社系のネット記事も読んでみましょう。
「あーなるほど、こういう所で句読点を打つのか!」と、句読点の感覚を養うことができます。
文章感覚を養うのに役立つサイト
句読点が使い方が参考になる、おすすめのサイトを3つほどご紹介します。
一部有料ですが、大部分が無料で見ることができます。
日経クロステックは、日本経済新聞グループの日経BPが運営するサイトです。
ビジネス系情報を多数取り扱っているため、ビジネスパーソンには一石二鳥です。
言わずと知れた有名新聞です。新聞記者の文章は、情報を誤解なく伝えることを意識して書かれているので、句読点の使い方でも参考になります。
フジサンと言われている、雑誌の定期購読サイトです。
それだけでなく、5000冊以上の雑誌が無料で読み放題のサービスもあるのでオススメです。
書き方の参考になる書籍・参考資料
もっと句読点について詳しく学んでみたいという人には、以下の書籍や参考資料がおすすめです。
おすすめ書籍
文章力の基本 阿部 紘久
句読点の例文が豊富に載っています。
日頃本を読まない方でも、読みやすい一冊です。
1956年に共同通信社が発行し、本書は第14版です。
13版までは紙の本で持っていましたが、ここからは電子書籍で買いました。
記事を書くとき、多くの記者やライターが参考にしているのが本書です。
句読点に関する記述は3ページほどで、コンパクトにまとめられています。
【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫) 本多勝一
句読点への理解をもっと深めたい方には、本書がおすすめです。
スラスラ読める本ではありませんが、一読の価値はあります。
参考資料
1946年3月に当時の文部省で作成。教科書や公文書で使われている句読点のルールが書かれています。
ポイント
校正とは、執筆者が書いた原稿を読み、誤字脱字などの「文字の誤り」や、用語の「不統一」などを指摘する作業です。
また、原稿自体のミスを見つけるために、誤字脱字や表記のゆれなどをチェックする「素読み校正」も行います。
校正と似た言葉に「校閲」があります。校閲は、原稿に書かれている文章の意味や内容を読み、誤りを正すことです。
校正と校閲は、より美しい言葉を採用し、より適切な表現に変更することで、より美しく、わかりやすく、より読者に正確な情報を伝えることのできる文章にブラッシュアップすることを目的としています。
原稿、投稿、メール、書類といった文章を書くとき、以下のようなことでストレスを覚え、何度も筆を止めた経験は、誰もが一度ぐらいはあるのではないでしょうか。
①漢字にするか。ひらがなにするか。 ②送り仮名をつけるか。つけないか。 ③読点(、)にするか。ナカグロ(・)にするか。 ④全角にするか。半角にするか。 ⑤二重カギ(『』)にするか。一重カギ(「」)にするか。 ⑥「問合先」にするか。「問い合わせ先」にするか。 ⑦「1月1日」にするか。「1/1」にするか。 ⑧「午前1時」にするか。「AM1:00」にするか。 |
今は、PCやスマホでの入力が主流なため、もしかしたらそこまで深く考えることもなく、最初に変換された文字を無意識に使っているケースが多いかもしれません。
実は、コピーライター、ライター、編集者といったメディア従事者、さらには作家といった、書くことを仕事にするプロと呼ばれる人たちでさえ、上記のようなことに迷うことは、少なくありません。
メディアに不可欠な表記ルールとは
書き方のことを「表記」と言い換えることもできますが、紙出版や編集業界を中心とするペーパーメディアでは、古くから「表記ルール」というガイドラインを整備して、表記の統一をはかり、媒体のクオリティを守ってきました。
「ノートに表記する」のような用いられ方は、あまり日常的ではないですが、メディア業界では「この文言の表記ってどうでしたっけ」のようなやりとりはよくある光景です。そんなときによりどころとなるのが、表記ルールです。
表記ルールはレストランにおけるレシピ
表記ルールは、一社や一媒体にひとつというのが一般的ですが、ときには社内、編集部内、雑誌内、サイト内のコーナーなど、それぞれ個別に表記ルールが存在するケースもめずらしくありません。
そのため、新人はもちろん、他部署からの転属組、他メディアから転職してきた編集者のように、キャリアがあっても配属先や転職先の部署や雑誌で決められた表記ルールを、あらためて覚えていくケースも、少なくありません。
ペーパーメディアをはじめ、クオリティや意識の高いウェブメディアには、必ずといっていいほどに、こうした表記ルールが存在します。
さまざまな表記ルールの呼称
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こちらはとある出版社で使われている表記ルールの表です。
ダウンロードして使ってください。
WORK(第5章で取り組む課題)
WORK1 できた原稿をはじめから読んでみよう!
WORK2 表記ルール
を見ながら、誤字脱字や表記のゆれなどをチェックします!
WORK3 できれば、誰か他の方に見てもらいましょう。
WORK4 表示がおかしい箇所はないですか?
WORK5 さらにもう一度読んでみましょう!
電子書籍の表紙の作り方
番外編として、電子書籍の表紙の作り方も紹介しています。
是非読んでください!!