講座【ひとりでできるkindle絵本講座】第5章その1編集「出来上がった絵と物語の調整をする」

さて、みなさんは物語が完成していますか?

 

その上で調整についてのお話を今からします。
前回でも、同じ話は書いてあったかと思いますが、結構大事なことなので、
もう一度取り上げています。

この書き方を基本としてみると、読んでいる側が時系列や、登場人物に対して、流れがすっと頭に入ってきやすくなります。

 

心がけて欲しいこと

場面を描く時は子どもが理解しやすいように、ひとつの見開きに2つ以上の場面が展開しないようにしましょう。

絵本の展開を図で表現するために、以下のCanvaのストーリーボードテンプレートをお勧めします。
(前回お知らせした絵コンテもいいのですが、絵本はCanvaで最終作るのでこのテンプレートに入れることも考慮してください)
これらのテンプレートを使用すると、子どもが理解しやすいように、
ひとつの見開きに2つ以上の場面が展開しないように配慮した絵本の展開を効果的にできます。

  1. Blank Simple 6 Panel Storyboard:
  2. Storyboard in Black and White Grey Minimalist Style:
  3. Storyboard Brainstorm:
  4. Doodle Sketch Storyboard Brainstorm:

これらのテンプレートを利用して、絵本の各場面を計画し、子どもたちが楽しめる物語を創造してください。

 

本の真ん中にかかるため人物を中心に置かないようにしましょう。

本の真ん中にかかる部分を避けて人物を配置することは、視覚的な調和と読みやすさを保つ上で重要です。
この要件を満たすためには、各ページのレイアウトを慎重に計画し、特に見開きページでの中央部分を避けるデザインを心がける必要があります。

  1. 物語の流れを決定する:
    • 物語の主要な出来事や場面をリストアップし、それらが絵本のどの部分に当たるか大まかにマッピングします。
  2. ページレイアウトをスケッチする:
    • 各ページまたは見開きページのレイアウトを紙にスケッチします。この時、本の中心線を意識して、重要な要素がそのラインにかからないようにします。
  3. 人物や物の配置を考える:
    • 物語のキャラクターや重要なアイテムを、ページの左右や上下に配置し、中心線から避けるようにします。これにより、本を開いた時に人物や物が見切れることなく、全体を通してバランスの取れたレイアウトを実現できます。
  4. 背景とディテールを加える:
    • 人物や物の配置が決まったら、背景や細かいディテールを加えていきます。この際も、中心部分に重要な情報を置かないように注意しましょう。
  5. テキストの配置を決める:
    • 物語のテキストは、イラストと調和するように配置します。読み手の視線が自然に流れるように、テキストの位置を工夫しましょう。

 

横書き絵本は左から右へ縦書き絵本は右から左へ進行させましょう

主人公が出会う人やものは右側から現れるように(縦書きはその逆)描きましょう。

主人公が左端にいるときは行動前、右端にいるときは行動した後(縦書きはその逆)となるように描きましょう。

主人公にとって怖いことや問題などマイナスの要素は右から左に動かすように(縦書きはその逆)描きましょう。

主人公が出かけた先から帰る場合も右から左に動かすように(縦書きはその逆)しましょう!

WORK(第5章で取り組む課題)

第5章(絵本)WORKシート
第5章1週目(絵本)解説動画スライド資料

WORK1:物語の大枠を決定します。

物語の始まり、中盤、終わりを決定します。

WORK2:ページごとの内容の計画を決めましょう。

各ページで伝えたい内容や場面を決定し、
左から右へ自然に進むように配置します。

WORK3:イラストのレイアウトを決めましょう。

キャラクターや重要なアイテムをページの左側に配置し、
行動や動きが右側へ向かうように描きます。

WORK4:テキストの配置を決めましょう。

テキストはイラストを補完する形で配置し、
読者が左から右へ自然に目を移動させられるようにします。

 

コラム / 対象年齢から見るターゲット層

絵本には、対象年齢があります。
基本的にまずは子ども。でも上は問いません。
大人も楽しむことができます。

それは親や保護者が子どもに適した内容を選ぶ際の一つの目安として作られたもので、実際にはその境界はあいまいです。
作り手が想定する年齢層とは異なり、時には生まれたばかりの赤ちゃんでさえ、特定の絵本に夢中になることがあります。
よく絵本にある「4才から」みたいな表記は、絵本の年齢区分が実際には大人の視点で決められたものであることを示しています。

そういうのを見ると、年齢の区分っていうのは結局大人の事情で、売る側・買う側という商売上の都合も大きいのかもしれません。

私自身、子ども時代は友達が少なく、社会性に欠け、集団に溶け込むのが苦手でした。
寂しさを感じつつも、どうやって友達を作ればいいのかわからない日々を過ごしました。
小学生になると、子ども社会の厳しさに直面し、社会性の欠如が原因で孤立することもしばしばでした。
そんな時、両親は私を様々な習い事に通わせ、図書館で本を借りてくれました。
本と音楽は私にとっての救いであり、外の世界への窓でした。文化を通じて出会う様々な人々や考え方に触れることが、私に広い視野を与えてくれました。

今の子どもたちは、私が子どもの頃経験したもの以上に同調圧力に晒されています。
見せかけの楽しさの中で、辛くないふりをしながら本当は苦しんで毎日を過ごしている子どもたちがたくさんいると思います。そんな子どもたちに、絵本を通して広い世界や多様な価値観に触れ、心の支えを見つけてもらうのって素敵なですよね。
絵本は年齢を超えた普遍的なメッセージを持ち、誰にでも開かれた世界を提供します。
そのために、私たちは読者としての子どもたちの存在をしっかりと意識し、彼らに寄り添う作品を創り続ける必要があります。